キューブワン情報株式会社
 代表取締役社長 芳賀 吉徳

デジタルが与える環境変化

 近年、第四次産業革命と言われるように、IoT、ビッグデータ、AIやロボットなどの新技術が急速に発展し、社会全体に大きな変化を引き起こしつつあります。

 また、新型コロナウィルス感染症の拡大を契機として、デジタル技術の活用により地域における生活や産業など幅広い分野において新しい価値を創造するデジタル変革を推進する動きが加速しております。

 当社が本社を置く山形県の庄内地域においても、ワークスタイルやセールススタイルが大きく変化しており、デジタル活用による競争力の確保は地域活性化において今後ますます重要な役割を果たすと推測されます。

DXビジョンと当社の目指す方向(ビジネスモデル)

<DXビジョン>

 当社は地域の情報産業の担い手として、企業理念にある「地域に信頼されるベストソリューションパートナー」となれるようICT技術と創造力を最大限に活かし、情報分野を軸としたさまざまな取り組みを通して社会課題の解決と豊かな社会の実現に貢献して参ります。

<当社の目指す方向(ビジネスモデル)>

 当社はICTを通し当地域の新たな発展を推進すべく、庄内の市場に見合ったソリューションの提案を行って参りました。

 これからもお客様のDXへの取り組みに寄り添い、“お客様ニーズに合った付加価値の高いサービス”を提供することで、お客様の持続可能な経営をICTの力でバックアップします。

 これら実現に向け、当社は人材育成においてより高度なスキル獲得を目指し、社員一人ひとりの生産性をあげ、付加価値の高いサービス創出を目指して参ります。

当社の戦略

 当社の売上拡大(特に自社製品)をさらに推進するには山形県のみならずより広域への営業活動が必要になります。一方で人的リソースは限られているため、より精緻なマーケティングに基づき成約確率の高いお客様へリソースを集中化していく必要があります。当社は以下3つの戦略実現により、顧客への付加価値作りを行い収益性を高めます。

<取り組み1> インサイドセールス立ち上げによる営業活動の高度化・効率化の推進

 当社はビジョンに掲げる“地域のお客様のICT活用のパートナー”となるべく、お客様への提案活動から保守・サポートまで全ての活動をSFAに蓄積し、データを高度に活用し顧客対応力を強化して参ります。

 既に当社ではSFAシステムを導入し、営業活動の状況を逐次インプットし、データ蓄積しております。しかし、一方で顧客に関する基本情報や販売実績は基幹システム(販売管理)にデータ保管されており、例えば、当社の製品サービスはどのような課題を持っているお客様に売れているのか、どのような商談プロセスでお客様に購入いただけたのか等、よりお客様に最適な提案活動を行うための分析を充分に行えないという課題があります。

 今後、これら分散している様々なデータを一元化する環境を整備し、分析に基づいたマーケティング活動を強化して参ります。また、これら活動を担当し、営業とマーケティングの架け橋となる“インサイドセールスチーム”を立ち上げ、販売エリアの拡大を効率的に進めて参ります。

 また、将来はデータが蓄積することで、どのお客様に何が必要とされるか、データに基づいた提案を可能とするAIによる将来予測にもチャレンジします。 

<取り組み2> デジタル技術を活用したエンジニアの生産性向上

 当社は、開発エンジニア、保守・サポートサービス業務を対応するエンジニアを対象に、これまで訪問、対面を前提としていた業務もデジタルの力でサービスレベルを下げることなく、効率的にサービス提供できるように取り組んで参ります。

 例えば、これまでサポート部門ではお客様からの問い合わせに対しては、エンジニアが直接過去の履歴等を調べ、それでも状況を把握出来ない場合は現場に赴き、お客様に直接お話を伺いながら対応を行う等、エンジニアの工数がかかる上に、お客様の協力がなければ解決できない状況でした。

 今後は、新しい技術である生成AIに様々な顧客データを読み込ませ、問合せ対応、Q&A対応、リモート対応を向上させることで、調査にかかる工数削減、対応品質の向上、スピーディーな対応を実現し、CSの向上をはかって参ります。

 また、ソフトウェア開発についても属人化している部分がある為、GitHubなどの仕組みを利用してコードの共通化、履歴管理などを、エンジニア全員に共有させることで、開発における生産性向上に関する取り組みを開始しました。これら活動を推進することでエンジニアの生産性を向上し、収益向上を目指します。

<取り組み3> 地域全体のDX推進を伴走型でサポート

 当社が本社を置く酒田市でも、デジタル技術を活用することで「住民サービスのDX」「行政のDX」「地域のDX」を実現し地域社会の活性化を目指しております。当社では、ICT業界のプロフェッショナルとして、地域社会全体のDX推進において一翼を担うべく、人材のスキル高度化を目指しております。

 デジタル田園都市構想では2026年末までにデジタル推進人材230万人育成が掲げられております。当社にはすでに山形県で推進している“AI活用アドバイザー”を認定されているメンバーがおりますが、新たに登場した生成AI等の技術を活用し、慢性的な人手不足に悩む地域社会において、AI等の最新技術活用による生産性向上を推進して参ります。

 当社は、自らがデジタル人材を育成してきたノウハウも活かしながら、お客様のDX推進人材を育成し、その後、お客様とともにデータ活用、AI活用によるお客様のビジネスでの付加価値作りをサポートして参ります。そのためには生成AI等次々に生まれる技術を常にキャッチアップし、高いデータ分析能力を有し、お客様のDX推進を伴走出来る高い技術力、伴走力の獲得を目指します。

DX推進体制

 当社はDX戦略を実現するため、代表取締役社長を責任者とし、各部門から選出されたメンバーで構成する部門横断型の「DX推進委員会」を設置し、推進して参ります。

戦略推進のためのITシステム・デジタル技術活用環境の整備

 当社が中期計画・⻑期ビジョンで⽬指す“あるべき姿”を実現するために、基盤強化に向けた開発投資を既存の⾃社システム維持運⽤費とは別に戦略的に投資して参ります。

人材育成・組織能力強化への取り組み

 当社は顧客への提供価値・自社の存在価値を高めるため、DX推進の担い手となる人材育成にも注力いたします。

 特に当社ではDX推進提案に必要な業務改善提案、および生成AI等の最新技術の習得について強化を図って参ります。

育成目標

■人材育成

 ・プロンプトエンジニアリング講座:2名受講 
 ・E資格: 合計2名合格
 ・G検定: 合計8名合格

■DX推進のための業務改善研修:全社員受講

戦略達成状況に係る指標

 当社はDX推進によって目指す姿を実現するために、以下の目標設定をしております。

【戦略達成状況に係る指標】

■組織強化

 ・インサイドセールスチームの立ち上げ 2024年度末 

■人材育成

 ・プロンプトエンジニアリング講座:2名受講
 ・E資格: 合計2名合格
 ・G検定: 合計8名合格

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